飾られた記号
積み本、バリバリと消化中。
これ、すごくおもしろかった。
設定が凝ってて楽しかったし、退屈しなかった。
雰囲気作りにすごくこだわった作りになっていて、一見難解そうに見えつつも実はそうでもない数学的言質がいい感じだった。
意味を考えると「ん〜？」となってしまうちょっと……かなり痛い部分もあるけれど、ここで重要なのはあくまで雰囲気なので、これはアリだと思う。
ただ、何箇所かある改行の嵐とか伏字とかも雰囲気作りの表現法なんだと思うけど、そっちはあまり成功しているとは言いがたい。
あとがきで本人がふれている通りに森博嗣氏の影響受けすぎで、それがわかると読んでて辛い。
ミステリ要素についても「それはちょっとどうかな〜？」といいたくなったり。
矛盾はしないけど、細部に無理がある。
しかもトリックに魔法みたいなものを使われてしまったら、ああそうなんだとしか言いようがない。
あとデビュー作なのにやたらと次巻以降への伏線が多くて苦笑い。
次巻、ちゃんと出ればいいけど……。
ともあれ、欠点は非常に多くとも、全体としてはおもしろかった。
欠点のいくつかについては作者さんよりも、担当編集者にこそ責任があると思われるし。
少しは売れて、きちんと次巻が出ればいいなぁ。
